現代の怪物って何それ

なんか時事とか思ったことをすぐレスポンスしてみる脊髄反射

教育無くして成長なし!眼前の損得に踊らされる今日を憂いて。

 最近の潮流について断言しよう。今、目先の損得に人々の行動が左右されている!これは由々しき事態である!

 

 そもそも長期的な投資というのは、国家であれ企業であれ家庭であれ、ひいては個人であれ絶対的に必要な物であり、これを無くして成長は望めないのである。

 

 私が説く"長期的な投資"というのは、家庭であれば教育費など、企業であれば研修費や研究費など、国家であれば文教費などの事を言っている。たった目先の事を考えればそれらは一見コストにしか見えないのであって、長期的に見てもそれらが"利益"に直結するかと言われればそうでもなかったりする。

 

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 LEDの開発者中村氏は日亜化学工業の中で反対されながら開発をし、それが実を結んだことで現代では画期的に広まりつつある。だが彼はこの開発について目先の利益を追って開発に成功した訳ではないのである。

 

 そしてこのような事例はあらゆることに当てはまっている。国家規模の話でいうところ、現代日本(2015年データ)においてはGDPにおける国家の公的教育予算割合がOECD32か国中の最下位!3.5%となった。イギリス5.2%、アメリカ4.7%、OECD32か国平均4.7%、ドイツ4.3%などにも大きく水をあけられている。

 

 よく国家予算における国債発行累積高を国の借金が多額に上り首が回らなくなっている。教育分野を削るしかなくなっている等という。しかしこれらを疎かにしてどうやって国家を長期的に維持していこうというのであろうか。少子高齢化は益々進行するばかりで老齢者の数は増える一方。こうした事態によって社会保障関連費の増加は年を追うにつれ進行するのは火を見るより明らかなのである。

 

 かえって教育予算を減らし、長期的な展望を一切無視しこれらをコストと呼ぶのならば、この国家に希望を持つことは出来ない!

 

 これらは企業経営などにも大きく当てはまっている。研修費や研究開発費などよりも短期的な投資である広告費などへ予算配分を行う会社が増え、またそれらとの価格競争など過当競争化していく。これらは近年ブームのように巻き起こった規制緩和の嵐によって生じた問題でもある。

 

 さらに上記のような経営体質は、消費者たちにあらゆる本質を見誤らせる絶好の機会でもある。例えば、非正規化や過当競争が激化した企業によって引き起こされる事故などのリスクの増加。こうした問題は多くの分野で今懸念されるものでもあるのだ。

 

 近年高校や大学までもが研究や学問の場というよりも産業界の求める人材を送り出そうという時代の要請に応じた教育をしようという考えになって来ている気がする。学校の就職予備校化という事態は、好ましからざるものである。

 

 学費などの値上げを含めた学業機会の減少、所得格差による学歴格差などによって選択機会が減少し、またそれによって封建的な身分制が別の形となって創出されようとしている。

 

 更には奨学金によって学生時代から借金を背負わされ、社会に出たときの状況によって非正規雇用となってしまえば、生涯年収は下がりそこから這い上がる事は出来なくなってしまっている。まさに企業の奴隷として擦り切れるまで働き、経済状況によってはすぐに解雇されてしまう事だってあり得るのだ。

 

 非正規雇用化が進むことによってこれまでは柔軟に行われていた、熟練者からの技術移転は遠のき企業の長期的な維持や成長に問題を齎している。更には企業が研修や研究開発に力を置かず、短期的な損得勘定によってその場しのぎを繰り返している。これでどうして国家規模で成長できると言えるのであろうか。

 

 国家でいう教育は、長期的投資であるというばかりでなく、セーフティネットとしても機能することになる。一度社会からはじき出されてしまった人々を、自らの力で再起できる可能性を増やす。これらを疎かにして目の前の損得にばかり踊らされる今日の状況は、社会不安を大きくする可能性すらある。

 

 教育無くして成長なし。これからの教育に対する予算の拡充を切に願うばかりである。